決算サマリー
2025年3月期(第155期)の業績は、売上高が100億76百万円(前年同期比1.6%減)、営業利益が6億37百万円(同30.5%減)、経常利益が7億19百万円(同27.5%減)、当期純利益が5億3百万円(同28.3%減)となりました。主力であるセラミックス事業において、電子部品業界の在庫調整が長引いたことや、原材料・燃料価格の上昇によるコスト増が響き、減収減益の着地となりました。
注目ポイント
今後の成長の鍵を握るのは、新たに始動した2030年度をゴールとする中期経営計画「CONNECT30」です。同社は主力製品であるジルコニアセラミックスの強みを活かし、EV(電気自動車)向けの電池材料や、次世代パワー半導体製造工程への展開を強化しています。特にPBR(株価純資産倍率)1倍割れの解消を経営課題として明記しており、収益性向上と株主還元の強化に対する強い意志が見られます。
業界動向
セラミックス業界は、スマートフォンの普及一巡やIT投資の端境期により、積層セラミックコンデンサ(MLCC)等の電子部品向け需要が上半期を中心に低迷しました。一方で、自動車のEV化や自動運転技術の進展に伴う電子制御ユニットの増加は、中長期的な追い風となっています。競合他社がひしめく中で、同社は高強度・高靭性な「YTZボール」など、ニッチな領域で高いシェアを維持しています。
投資判断材料
長期投資家にとっての魅力は、極めて強固な財務基盤と積極的な配当方針です。自己資本比率は76.6%と非常に高く、倒産リスクは極めて低いと言えます。また、配当性向を50.4%まで引き上げており、PBR改善に向けた意識の変化は株価の下支え要因となるでしょう。ただし、原材料であるジルコニアの仕入れを特定企業(東ソー)に大きく依存している点は、サプライチェーン上のリスクとして留意が必要です。
セグメント別業績
- セラミックス事業:売上高74億5百万円(前期比1.7%減)、セグメント利益4億48百万円(同37.8%減)。下期に受注回復の兆しが見られたものの、仕掛品の評価損やコスト増が利益を圧迫しました。
- エンジニアリング事業:売上高26億71百万円(前期比1.4%減)、セグメント利益1億89百万円(同4.0%減)。自動車や重機関連の設備投資が堅調に推移し、利益面では微減にとどまりました。
財務健全性
自己資本比率は前期の76.0%から76.6%へさらに上昇しました。有利子負債は借入金の返済が進み、前期比で約2億円減少の7.2億円となっています。現金及び現金同等物の期末残高は36億42百万円と潤沢であり、投資や還元に充てる十分な余力を有しています。
配当・株主還元
2025年3月期の年間配当金は21円(中間10円、期末11円)を実施しました。当期純利益の減少に伴い、配当性向は50.4%に達しています。同社は配当性向30~50%を目安としており、収益状況に応じた柔軟かつ積極的な還元姿勢を示しています。
通期業績予想
次期の通期予想については、電子部品業界の本格的な回復とEV関連市場の拡大を見込んでいます。中期経営計画「CONNECT30」の初年度として、生産効率の改善と高付加価値製品の販売比率向上により、利益率の回復を目指す方針です。
中長期成長戦略
「CONNECT30」では、2030年度にセラミックス事業で売上高100億円、エンジニアリング事業で売上高30億円、全社営業利益率15%を目標に掲げています。戦略投資として、自動化・省人化設備への投資を加速させるとともに、環境配慮型製品(リサイクル技術など)の開発を通じてサステナブルな成長を図る計画です。
リスク要因
- 特定仕入先への依存:原料のジルコニアの多くを特定企業から調達しており、供給停止や価格高騰の影響を受けやすい。
- 地政学リスク:ウクライナ情勢や米中対立による原材料価格の高騰や分断リスク。
- 業界動向:電子部品・自動車業界の景気サイクルによる需要変動。
ESG・サステナビリティ
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への対応を強化し、2030年度までにCO2排出量を2018年度比で50%削減する目標を掲げています。また、女性管理職比率を2030年度までに20%にする目標を設定するなど、人的資本経営にも取り組んでいます。
経営陣コメント
大西宏司社長は「まずやってみる、未来のために。」というスローガンを掲げ、不透明な経営環境下でも戦略的な将来投資を積極的に実施する姿勢を強調しています。特にPBR1倍割れの早期解消を最重要課題の一つと捉えています。
バリュエーション
2025年3月末時点の株価指標は、PER(株価収益率)が11.93倍、PBR(株価純資産倍率)は約0.5倍近辺(BPS 1,097.65円に対し)となっています。解散価値を大きく下回る水準にあり、配当利回りも4%前後の高い水準で推移していることから、バリュエーション面での割安感は顕著です。
過去決算との比較
直近4四半期の推移を見ると、第1四半期の純利益が1.1億円だったのに対し、第4四半期(3ヶ月間)は0.5億円程度と、期末にかけて利益が伸び悩む季節性が見られました。これは期末の在庫評価損や先行投資費用の計上が影響したと考えられますが、来期に向けた地固めの時期であったと言えます。
市場の評判
株式会社ニッカトー (Nikkato Corp) is a Japanese company involved in ceramics and engineering businesses. It has received positive investment ratings and is considered a high-growth stock. Investor opinions highlight its strong financial performance and future potential.
詳細リサーチレポート
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1. 最新の業績動向と今後の見通し
- 2026年3月期第2四半期決算: 2025年11月4日に発表された決算短信によると、2025年3月期の中間決算は大幅な増収増益を達成。売上高は前年同期比7.9%増の53.2億円、営業利益は34.8%増の4.96億円、経常利益は28.8%増の5.24億円、中間純利益は20.7%増の3.43億円となった。
- 業績要因: 電子部品業界の回復や設備投資需要の堅調さが業績を牽引。両事業セグメントともに好調に推移している。
- 今後の見通し: 通期予想も増益を見込んでいる。
- アナリストの見解: アナリストによる詳細な業績予想は入手できませんでしたが、好調な業績からポジティブな見方が予想されます。
2. 業界内での競合ポジションと市場シェア
- 主要な事業領域: 工業用セラミックス。耐摩耗・耐熱セラミックスに強みを持つ。
- 主要競合他社:
- 市場シェア: 具体的な市場シェアのデータは入手できませんでした。
3. 成長戦略と重点投資分野
- 中期経営計画「CONNECT30」:
- M&A・新規事業: M&Aや新規事業に関する具体的な情報は入手できませんでした。
4. リスク要因と課題
- 事業上のリスク、外部環境の変化に関する詳細な情報は入手できませんでした。
5. アナリストの評価と目標株価
- レーティング情報: アナリストによるレーティング情報は確認できませんでした。
- 目標株価: 株予報Proによる理論株価は、下値目途555円、理論株価588円、上値目途620円と分析されています。
6. 最近の重要ニュースやイベント
- 2025年12月22日: テレビ東京系列「知られざるガリバー ~エクセレントカンパニーファイル~」に出演(2025年12月27日放送予定)。
- 2025年12月1日: 2026年3月期中間報告書を掲載。
- 2025年11月4日: 2026年3月期第2四半期決算短信および業績説明資料を発表。
7. ESG・サステナビリティへの取り組み
- 健康経営宣言: 従業員の健康を重視し、働きがいのある環境づくりを推進。
- TCFD: 気候変動関連リスク・機会に関する情報開示を推進。
- CSR基本方針: 法令遵守、倫理に基づいた企業活動、人権尊重、安全衛生、環境保全、地域社会との連携を重視。
- ESGへの取り組み: 環境負荷低減技術の開発、製品製造時の環境負荷低減、生産工程の環境負荷低減など。
8. 配当政策と株主還元
- 配当方針: 配当の維持と適正な利益還元を実施。
- 1株当たり配当金(会社予想): 21.00円(2026年3月期)。
- 配当利回り(会社予想): 3.33%(2025年12月30日時点)。
- 配当性向: 50.4%(2025年3月期).
- 連続増配: 4年連続増配。
- 株主優待: 株主優待は実施していない。