決算サマリー
AREホールディングスの2025年3月期(第16期)の連結業績は、売上収益・営業利益ともに大幅な増収増益となりました。
- 売上収益:506,211百万円(前年同期比 57.1%増)
- 営業利益:19,984百万円(前年同期比 61.6%増)
- 親会社の所有者に帰属する当期利益:14,319百万円(前年同期比 41.5%減)
純利益が前年比で減少しているのは、前期に「ジャパンウェイスト株式会社」の株式交換に伴う一過性の非継続事業利益(約160億円)が計上されていたためです。継続事業ベースでの利益は着実に成長しています。
注目ポイント
北米精錬事業の構造改革と成長
北米市場において、市場縮小が続いていた金銀加工品(1オンスコイン等)分野から撤退し、フロリダの拠点を閉鎖。一方で、精錬およびトレーディング、貴金属倉庫業への集中投資を行い、収益性の改善を図っています。
国内拠点の集約と高度化
茨城県坂東市において新工場を稼働・建設中で、自動化・省力化によるコスト削減を推進。電子触媒分野での競争力強化を目指しています。
業界動向
サーキュラーエコノミー(循環型経済)への関心の高まりにより、貴金属リサイクルの重要性は増しています。金相場が高値圏で推移したことも集荷を後押ししました。競合他社との価格競争は激しいものの、同社は「責任ある貴金属管理」の認証取得などを通じ、ブランド力による差別化を図っています。
投資判断材料
長期投資家にとってのポジティブ材料は、営業利益の力強い成長と、80円という安定した配当水準です。一方で、貴金属の在庫や売掛金の増加に伴い総資産が膨らみ、自己資本比率が低下している点には留意が必要です。これは取引量増大に伴う運転資金の需要増を反映しています。
セグメント別業績
- 貴金属事業:売上収益 506,130百万円(前年比 57.1%増)、セグメント利益 18,339百万円(44.2%増)。宝飾・電子分野の回収量が増加。
- 環境保全事業:前連結会計年度に子会社を分離したため、現在は持分法適用会社「株式会社レナタス」を通じた投資損益(1,931百万円)として計上されています。
財務健全性
総資産は490,037百万円と、前期末から約1,720億円増加しました。これは主に貴金属製品の前渡取引等に係る未収入金の増加や棚卸資産の増加によるものです。これに伴い短期借入金も増加しており、親会社所有者帰属持分比率は25.8%(前期末は39.8%)へ低下しています。
配当・株主還元
当期の年間配当金は1株当たり80円(中間40円、期末40円)となりました。配当性向は171.55%と高水準ですが、これは非継続事業利益の影響を除いた実質的な還元姿勢を示すものです。会社側は「配当性向40%を目処」とする方針を掲げています。
通期業績予想
本報告書は2025年3月期の確定値です。営業利益は期初予想を上回る進捗で着地しました。次期については、北米の構造改革効果や国内新工場の寄与が期待されます。
中長期成長戦略
2030年に向けた中長期ビジョンにおいて、「環境と社会をつなぐ循環経済の担い手」となることを掲げています。製薬領域や水素製造などの新分野への貴金属供給、アジア・北米での海外事業強化を戦略主題としています。
リスク要因
- 貴金属価格・為替:特に先渡取引でのヘッジが難しいロジウムの価格変動。
- 海外展開:北米・アジアにおける法規制の変化や労働争議等のカントリーリスク。
- 減損リスク:事業環境の変化に伴う固定資産やのれんの減損(今期もフロリダ拠点閉鎖等で減損を計上)。
ESG・サステナビリティ
「この手で守る自然と資源」をパーパスに掲げ、TCFD提言に基づいた気候変動情報の開示を推進。2030年度までに貴金属リサイクル量300t達成、Scope1・2の排出量63%削減(2015年度比)などの目標を設定しています。
経営陣コメント
東浦社長は、安定的な利益確保と持続的な成長の維持の均衡を重視し、すべてのステークホルダーの期待に応えることを基本方針としています。また、役員報酬にSDGs目標の達成度を連動させる制度の導入も決定しました。
バリュエーション
- PER(株価収益率):10.6倍
- PBR(純資産倍率):1.0倍程度(実績ベース)
- 配当利回り:約4.0%(株価2,000円換算)
過去決算との比較
売上収益は第12期(1,647億円)から第16期(5,062億円)にかけて急拡大しており、ビジネスモデルのスケールアップが顕著です。営業活動によるキャッシュ・フローもプラス(14,685百万円)を維持しており、本業での稼ぐ力は強化されています。
市場の評判
AREホールディングス株式会社 (5857) is a Japanese company with mixed investor opinions; some see potential in its growth and merger with Intec, while others are cautious about risks. The stock has been performing well, with some predicting further gains. Investor sentiment is generally positive but cautious.
詳細リサーチレポート
AREホールディングス株式会社(5857)に関する最新リサーチレポートを作成します。
AREホールディングス株式会社(証券コード:5857)に関する最新リサーチレポート
最新の業績動向と今後の見通し
- 業績: 2026年3月期中間決算では、売上収益が微減となったものの、営業利益は84.3%増と大幅に増加。貴金属事業セグメントの好調が業績を牽引。
- 業績予想: 2026年3月期通期の連結業績予想を上方修正。売上収益は5,170億円(前回予想比15.4%増)、営業利益は300億円(同36.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は216億円(同33.5%増)を見込む。
- アナリストの見解: アナリスト判断(コンセンサス)は強気買い。日系中堅証券はレーティングを強気で継続し、目標株価を引き上げている。
業界内での競合ポジションと市場シェア
- AREホールディングスは、貴金属リサイクルと廃棄物処理を2本柱とする企業。
- 競合企業としては、アサカ理研、松田産業、ダイセキなどが挙げられる。
- 市場シェアに関する詳細な情報は見つかりませんでした。
成長戦略と重点投資分野
- 成長戦略: 貴金属リサイクル事業を海外市場へ展開。アジア・北米に進出し、現地の特性に合わせたビジネスモデルを創出。製薬領域及び工業分野での貴金属需要の開拓を図る。
- M&A動向: 産廃処理子会社のジャパンウェイストをJ‐STAR傘下のレナタスと統合。TREホールディングスがアサヒホールディングス傘下のJWガラスリサイクルを子会社化。
リスク要因と課題
- 事業上のリスクに関する具体的な情報は、IRBANKに記載されている。
- 外部環境の変化に関する詳細な情報は見つかりませんでした。
アナリストの評価と目標株価
- レーティング: アナリスト判断(コンセンサス)は強気買い。日系中堅証券はレーティングを強気で継続。
- 目標株価:
- 株価水準: FISCOの銘柄カルテによれば、株価水準は適正。
最近の重要ニュースやイベント
- 2025年10月29日: 2026年3月期の配当予想を修正(増配)し、配当利回りが5.22%に。年間配当は1株あたり120円に。
- 2025年10月29日: 2026年3月期通期の連結業績予想を上方修正。
- 2023年10月26日: AREホールディングス株式会社は、連結子会社である株式会社レナタスを株式交換完全親会社とし、ジャパンウェイスト株式会社を株式交換完全子会社とする株式交換を行うことについて、レナタスおよびJ-STAR NO.5-A, LPとの間で基本合意書を締結。
ESG・サステナビリティへの取り組み
- AREホールディングスグループは「この手で守る自然と資源」をグループ共通のパーパスとして掲げている。
- 「サーキュラリティ(循環的な経済社会)」実現に向けて取り組んでいる。
- 環境、社会、ガバナンスのすべての観点において企業の社会的責任を高いレベルで果たすことを目指す。
- 環境問題に関して、自然と資源を守ることが当社の事業そのものであると自覚しながら日々の事業にあたっている。
- ESGへの取り組みとして、環境マネジメント、気候変動への取り組み、人権、人的資本、サプライチェーン、地域社会貢献、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス・リスクマネジメントなどを挙げている。
配当政策と株主還元
- 配当方針: 配当性向40%を目安とした安定配当の継続を株主還元の基本方針としている。
- 配当金:
- 株主優待: 現在、株主優待制度は実施していない。2020年3月権利分をもって優待制度を廃止。
- 自社株買い: 2024年には9億9985万円の自社株買いを実施。