決算サマリー
今村証券株式会社の2025年3月期(第86期)の連結業績は、営業収益41億86百万円(前年同期比13.1%減)、営業利益9億86百万円(同33.2%減)、当期純利益7億60百万円(同24.7%減)となり、減収減益の結果となりました。株式相場の激しい変動や個人投資家の取引低調が、委託手数料の減少に影響しました。
注目ポイント
最大の注目点は「収益構造の変革」への取り組みです。従来の株式売買手数料に依存する構造から、投資信託の預り資産残高に応じた信託報酬などの「ストック型収益」へのシフトを急いでいます。経営指標として新たに「受益証券による経費カバー率」を導入し、中長期的に36%超(現状27.7%)を目指す方針を明確にしています。
業界動向
証券業界ではオンライン証券による売買手数料の無料化が加速し、価格競争が激化しています。同社はこうした流れに対し、北陸地方(石川・富山・福井)に深く根ざした対面営業によるコンサルティング能力で差別化を図っています。新NISA制度の普及を背景に、資産形成層の取り込みが業界全体の課題となっています。
投資判断材料
長期投資家にとっての魅力は、圧倒的な財務の安定性と地域独占に近い顧客基盤です。自己資本比率は61.4%と極めて高く、ネット証券にはない「対面での信頼関係」が、相場急変時における顧客の離脱を防ぐ防波堤となっています。一方で、相場環境に業績が左右されやすい点は依然として課題です。
セグメント別業績
同社は投資・金融サービス業の単一セグメントですが、収益の内訳は以下の通りです。
- 委託手数料:27億33百万円(前年比7.8%減)
- 募集・売出し等の取扱手数料:5億29百万円(同21.6%減)
- トレーディング損益:4億41百万円(同33.7%増)
外国債券等の販売注力によりトレーディング損益は伸長したものの、主力の手数料収入の落ち込みをカバーするには至りませんでした。
財務健全性
自己資本比率は61.4%(前期は54.4%)、自己資本規制比率は699.6%と、金融商品取引業者としての法的基準(120%)を大幅に上回る極めて健全な水準を維持しています。無借金経営に近い状態であり、長期的な事業継続性に懸念は見当たりません。
配当・株主還元
2025年3月期の年間配当は55円(中間25円、期末30円)となりました。前期の70円からは減配となったものの、配当性向は37.0%と、会社方針である「35%目安」を維持しています。安定的な利益還元を重視する姿勢が伺えます。
通期業績予想
証券業の特性上、相場環境による変動が大きいため、具体的な通期業績予想は公表されていません。しかし、中長期目標として2032年3月期までに預り資産を倍増させる計画を掲げており、新規口座獲得数は年間3,000口座以上の目標に対し3,926口座(進捗率130.9%)と順調に推移しています。
中長期成長戦略
「預り資産の倍増」と「人的資本への投資」を掲げています。2030年3月末までに役職員250名体制(現状198名)を目指し、ファイナンシャル・プランナー(FP)等の資格取得を推奨。質の高いアドバイザーを増やすことで、顧客一人あたりの預り資産残高の最大化を狙います。
リスク要因
最大の懸念は、株式相場の下落や低迷による取引量の減少です。また、北陸地方を地盤としているため、同地域の人口減少や経済停滞が長期的な成長の制約となるリスクがあります。システム障害やサイバー攻撃に対するセキュリティリスクも重要な管理事項として挙げられています。
ESG・サステナビリティ
地域貢献として、能登半島地震災害義援金の寄附や、高校・大学での金融リテラシー教育を実施しています。ガバナンス面では、社外取締役の活用や特別委員会の設置により、支配株主との利益相反防止にも努めています。
経営陣コメント
今村直喜社長は、社是である「百術不及一誠(誠実さが何より大切である)」を強調。対面営業の強みを活かし、お客様の満足度向上を収益拡大に結びつける共通認識を社内に徹底させるとしています。
バリュエーション
2025年3月期末時点の1株当たり純資産(BPS)は2,363.43円。株価が1,000円から1,100円程度で推移した場合、PBRは0.5倍割れの水準にあります。解散価値を大幅に下回る評価となっており、収益の安定化が進めば見直し買いの余地があります。
過去決算との比較
直近5期の推移を見ると、2024年3月期の好決算からの反動減が顕著です。ただし、自己資本比率は過去5年で50%前後から61%超へと上昇傾向にあり、利益の蓄積による財務基盤の強化は着実に進んでいます。
市場の評判
Nowmura Securities (7175) is a Japanese brokerage firm established in 1944, listed on the Tokyo Stock Exchange, with a solid reputation among investors. It offers a range of financial services including stock trading and investment advice. Employee reviews on OpenWork rate it 3.53 out of 5.
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最新の業績動向と今後の見通し
- 2026年3月期第2四半期累計(4-9月)の業績: 経常利益は前年同期比15.2%減の5.1億円。
- 直近3ヶ月(7-9月期)の業績: 経常利益は前年同期比21.4%増の3.1億円。売上営業利益率は前年同期の25.1%から26.8%に上昇。
- 業績評価: Yahoo!ファイナンスによると、過去12四半期は業績がやや弱含みで横ばい。
- 今後の見通し:
業界内での競合ポジションと市場シェア
- 今村証券は北陸地方を基盤とする証券会社。
- OpenWorkの社員クチコミによると、今村証券と大和証券、野村ホールディングスを比較した場合、社員の会社評価において、法令順守意識で差が見られる。
- 競合他社との比較として、日本取引所グループ、金沢信用金庫、富山第一銀行などが挙げられる。
成長戦略と重点投資分野
- 中期経営計画: 経営理念に基づき、顧客の最善の利益を追求し、顧客と共に発展し続ける企業を目指している。
- 具体的な経営目標:
- ストック収益へのシフト: 株式市況に左右されにくい収益基盤の確立を図るため、ストックからの収益を増やすことを目指している。
リスク要因と課題
- 市場リスク: 株価、債券価格、金利、為替などの市場価格の変動により損失が発生するリスクがある。
- 信用リスク: 債券の信用リスクや、取引先の信用状況悪化によるリスクがある。
- 為替変動リスク: 外貨建て資産の場合、為替変動により円での評価額が変動するリスクがある。
- 流動性リスク: 保有する債券の買い手が少ない場合、希望する価格で売却できないリスクがある。
アナリストの評価と目標株価
- 今村証券のアナリストレポートが、北陸企業ニュースで紹介されている。
- 証券会社レーティングは、MSTGによると「中立」。
- 目標株価に関する情報は、検索結果から得られなかった。
最近の重要ニュースやイベント
- 2025年12月5日: 地方証券会社連携コンソーシアムの新規加入会員に関するお知らせ。
- 2025年10月24日: 2026年3月期第2四半期(中間期)決算短信発表。
- 2025年9月29日: インターネット株式取引iRootへのパスキー認証の導入に関するお知らせ。
ESG・サステナビリティへの取り組み
- サステナビリティにおける重点項目:
- コーポレート・ガバナンスに関する基本方針、資本政策に関する基本方針、サステナビリティに関する基本方針などを定めている。
配当政策と株主還元
- 配当方針: 財務体質の強化と今後の事業展開の資金需要に備えるとともに、安定的な配当に配慮しつつ毎期の業績及び財務状況を総合的に勘案し、配当性向35%を目安として株主への利益還元を行うことを基本方針としている。
- 配当実績:
- 株主還元: キャッシュリッチな企業は手元資金を成長投資や株主還元に充当することが容易である。