8366株式会社滋賀銀行||

滋賀銀行(8366) 2025年6月 2025年3月期決算分析:システム開発中止に伴う特別利益と新中計の評判・決算情報まとめ

決算発表日: 2025-06-182025年3月期 通期
業績スコア
65/100
中立

決算サマリー

株式会社滋賀銀行の2025年3月期(第138期)の連結業績は、経常収益が1,331億9百万円(前年同期比8.5%増)、経常利益が189億49百万円(同20.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が187億20百万円(同17.4%増)となりました。

貸出金利息や有価証券利息配当金の増加により収益は拡大しましたが、次世代基幹系システムの構築中止に伴う関連費用の計上などが経常利益を押し下げました。一方で、当該プロジェクトの中止に伴う和解金80億円を特別利益に計上したことで、最終的な利益は増益を確保しています。

注目ポイント

次世代基幹系システム開発の中止と和解金

2021年から取り組んでいた次世代基幹系システム(Flexsusプロジェクト)の開発中止を2024年12月に決定しました。これに伴い、80億円の受取和解金を特別利益として計上。今後は2027年1月の現行システム更改に注力する方針です。

ROE目標の上方修正

2024年4月にスタートした第8次中期経営計画において、2029年3月期の連結ROE目標を当初の「5%以上」から「6%以上」へ上方修正しました。資本効率を意識した経営への姿勢を強めています。

業界動向

日銀の政策金利引き上げにより、地方銀行業界全体で預貸金利ざやの改善が期待される「金利のある世界」への移行が進んでいます。滋賀銀行においても、マザーマーケットである滋賀県内の製造業の生産活動回復や個人消費の底堅さを背景に、貸出金残高は前年比で539億円増加しました。一方で、金利上昇による保有債券の含み損(評価差額の減少)が純資産に影響を与えるリスクは業界共通の課題となっています。

投資判断材料

長期投資家にとって、以下の点が重要な判断材料となります。

  • 高い自己資本比率:連結自己資本比率は13.62%(国際統一基準)と、規制水準を大きく上回る健全性を維持しています。
  • 株主還元の強化:第8次中期経営計画期間中、総還元性向(配当+自社株買い)40%を目安とする方針を示しており、資本効率の向上が期待されます。
  • 地域密着型モデル:滋賀県内での圧倒的なシェアと、「TSUBASAアライアンス」を通じた広域連携により、安定した営業基盤を有しています。

セグメント別業績

当行グループは「銀行業」の単一セグメントですが、銀行単体と連結子会社の状況は以下の通りです。

  • 銀行単体:当期純利益188億44百万円(前期比19.6%増)。貸出金利息の増加が寄与しました。
  • 連結子会社:しがぎんエナジー(再生可能エネルギー事業)や、しがぎんキャピタルパートナーズ(投資業務)を新設。銀行業務を補完するコンサルティングやGX(グリーントランスフォーメーション)分野の強化を進めています。

財務健全性

2025年3月末の連結総資産は7兆5,282億円。貸出金は4兆5,293億円と堅調に推移しています。自己資本比率は前年末の15.70%から13.62%へ低下しましたが、これは有価証券の評価差額の減少やリスクアセットの増加によるものであり、依然として国際的な健全性基準を十分に満たしています。不良債権比率も低水準を維持しています。

配当・株主還元

2025年3月期の年間配当金は1株当たり90円(中間45円、期末45円)となりました。前年の90円(記念配当10円含む)と同水準を維持しています。また、当事業年度には約40億円の自己株式取得を実施しており、配当と合わせた株主還元に積極的な姿勢を見せています。

通期業績予想

第8次中期経営計画の初年度として、地域の成長を支える投融資額1.2兆円(5年間累計)などの目標に向けた進捗は概ね順調です。金利上昇局面における資金利益の拡大を見込む一方、システム更改費用や人的資本への投資増を織り込んだ経営を計画しています。

中長期成長戦略

「インパクトデザイン」「ベースforグロース」「ヒューマンファースト」の3つの基本戦略を掲げています。

  • インパクトデザイン:事業承継ファンドの立ち上げや、エネルギー事業会社による地域脱炭素の推進。
  • ベースforグロース:データドリブン経営の深化、生成AIの全職員導入による業務効率化。
  • ヒューマンファースト:「Design人材」の育成。一人当たり研修投資額の倍増を目指しています。

リスク要因

投資検討にあたっては以下のリスクに留意が必要です。

  • 金利変動リスク:急激な金利上昇は保有債券の価格下落を招き、自己資本を毀損させる可能性があります。
  • 信用リスク:景気後退に伴う与信費用の増加。特に地元の主要産業である製造業の動向に左右されます。
  • システムリスク:2027年1月の基幹系システム更改に向けた開発コストの変動や、サイバー攻撃のリスク。

ESG・サステナビリティ

滋賀銀行は環境経営の先駆者として知られています。琵琶湖の自然資本を守る「ネイチャーポジティブ」の考え方を経営に取り入れ、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同。2024年4月には「しがぎんエナジー」を設立し、地域のエネルギー地産地消と脱炭素化を金融面からリードしています。

経営陣コメント

久保田真也頭取は、創立90周年に際し制定したパーパス「『三方よし』で地域を幸せにする」を掲げ、伝統的な商人道徳を現代のサステナビリティ経営に昇華させる意向を示しています。ROE目標の引き上げは、プライム市場上場企業として株主資本コストを意識した経営を徹底する決意の表れとしています。

バリュエーション

2025年3月末時点の指標(連結ベース推計):

  • PBR(株価純資産倍率):約0.4倍〜0.5倍程度(1株当たり純資産9,652.60円に対し)。
  • PER(株価収益率):約13.15倍。
  • 配当利回り:2.5%〜3.0%前後(株価水準により変動)。

解散価値を下回る低いPBRは地銀業界に共通する課題ですが、ROE向上策や還元強化策の進展が、今後のバリュエーション見直しの鍵となります。

過去決算との比較

直近4四半期のトレンドを見ると、資金利益(利息収入)は金利上昇を背景に右肩上がりで推移しています。ただし、今期はシステム開発中止という一時的な巨額要因が含まれているため、実質的な稼ぐ力を示す「実質業務純益」は143億74百万円(前期比23.5%増)と、本業の収益力は着実に強化されていることが確認できます。

市場の評判

株式会社滋賀銀行 (8366) is a bank listed on the Tokyo Stock Exchange. It has mixed investor opinions, with some seeing potential and others expressing concerns. The bank is known for its local trust but faces challenges in broader markets.

詳細リサーチレポート

株式会社滋賀銀行(8366)に関するリサーチレポートを作成します。

以下に、株式会社滋賀銀行(証券コード:8366)に関するリサーチレポートをまとめます。

1. 最新の業績動向と今後の見通し

  • 2026年3月期中間決算: 滋賀銀行の2026年3月期中間決算では、経常収益が795.19億円(前年同期比31.5%増)、経常利益が156.4億円(同34.5%増)と大幅な増収増益を達成しました。これは、金融派生商品収益の増加や資金運用収益の拡大が主な要因です。
  • 通期業績予想: 2026年3月期の通期連結業績予想では、経常利益283億円(前期比49.3%増)と高い成長を見込んでいます。
  • アナリストの業績予想: アナリストは、2026年の売上高を1554億円、当期利益を203億円、1株当たり利益を442.6円と予想しています。
  • 業績進捗: 経常利益の四半期進捗に関する情報も提供されており、業績の進捗状況を把握できます。

2. 業界内での競合ポジションと市場シェア

  • 滋賀県内シェア: 滋賀県内の企業がメインバンクと認識している金融機関において、滋賀銀行は58.31%のシェアでトップを維持しています. これは9年連続のトップであり、2位以下を大きく引き離しています.
  • 競合他社: 2位は関西みらい銀行で12.64%のシェアを持っています. 滋賀中央信金、京都信金、長浜信金、湖東信金などの信用金庫も地域で存在感を示しています.
  • ネット銀行の台頭: ネット銀行(新形態の銀行)も徐々にシェアを伸ばしており、競争が激化しています.
  • 広域化: 京都銀行やりそな銀行など、近隣府県の金融機関も滋賀県内で競争力を高めています.
  • 全国順位: 滋賀銀行は全国のメインバンク取引者数ランキングで34位であり、前年の36位から順位を上げています.

3. 成長戦略と重点投資分野

  • 第8次中期経営計画: 滋賀銀行は、2024年4月から2029年3月までを計画期間とする第8次中期経営計画を策定し、「『三方よし』で地域を幸せにする」をパーパス(存在意義)としています.
  • ROE目標: 新中期経営計画では、ROE(自己資本利益率)目標を6%以上に引き上げています [cite].
  • 重点戦略: 収益力強化、生産性向上、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)への取り組みを重点戦略としています.
  • 新規事業: GX・SXコンサル事業、PPA事業、太陽光発電所の取得・運営事業など、地域・社会の課題解決につながる新規事業を創造し、未来デザイングループを新設しています.
  • 地域密着型金融: 地域金融機関としての社会的責任と公共的使命のもと、地域社会が持続可能で健全に繁栄することを目指しています.

4. リスク要因と課題

  • 金利変動リスク: 金利の急上昇は不良債権の増加につながる可能性があります.
  • 規制変更リスク: 資本基準の厳格化などの規制変更もリスク要因となります.
  • 地域経済への依存: 地域経済の動向、特に観光産業の変動は業績に影響を与える可能性があります.
  • 競争激化: ネット銀行の台頭や近隣府県の金融機関の進出により、競争が激化しています.
  • 社会的課題: 人口減少や脱炭素社会への移行などの社会的課題への対応が求められています.

5. アナリストの評価と目標株価

  • アナリスト判断: 2026年1月2日時点でのアナリスト判断(コンセンサス)は中立です.
  • 目標株価: アナリストの平均目標株価は6,120円で、株価はあと-14.76%下落すると予想しています.
  • レーティング: 過去3か月間にアナリスト1名が評価を行い、中立の評価をしています.

6. 最近の重要ニュースやイベント

  • 株式分割: 2026年3月31日を基準日として、1株を5株に分割する株式分割が実施されます.
  • 増配: 2026年3月期には増配が決定されています.
  • 株主優待の変更: 2026年3月権利分より、株式分割に伴い株主優待の取得基準株数が変更され、3年以上の継続保有株主には長期優待が新設されます.
  • メインバンク調査: 2025年のメインバンク調査では、滋賀銀行が滋賀県内企業のメインバンクとして9年連続でトップであることが確認されました.

7. ESG・サステナビリティへの取り組み

  • ESGファイナンス: SDGsやESGの専門的な知識を持つESGファイナンス専門チームを配置し、SDGsコンサルティングやESGファイナンスの組成、営業店支援を通じて、行内のSDGs人材を育成しています.
  • 環境経営: 1990年代から環境経営を実践し、地方銀行初の「しがぎんSDGs宣言」や、お金の流れで地球環境を守る「環境金融」などの取り組みを行っています.
  • カーボンニュートラル店舗: 2015年6月には、CO₂排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル店舗」として栗東支店を建て替えました.
  • サステナビリティ・リンク・ローン: SDGsやESGに関する“野心的目標”の達成状況と連動して融資条件が優遇される「『しがぎん』サステナビリティ・リンク・ローン」を提供しています.
  • TCFD/TNFD: TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)またはTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)が推奨する分析の結果を活用し、気候変動や生物多様性への対応を進めています.

8. 配当政策と株主還元

  • 還元性向: 新中期経営計画では、還元性向40%を目安としています [cite].
  • 配当方針: 株主への利益還元を重視し、安定的な配当維持に努めています [cite].
  • 自社株買い: 2025年1月31日には、2.45%の自社株買いを実施しました.
  • 株主優待: 200株以上を1年以上継続保有する株主に対して、地元滋賀県の特産品を中心に掲載した優待カタログが贈られます.
本レポートは、現時点での公開情報に基づいて作成されており、投資判断はご自身の責任において行うようにしてください。

情報源

データソース

この記事はEDINETから取得した決算報告書をAIが分析して生成しています。