9057遠州トラック株式会社||

遠州トラック(9057) 2025年3月期 本決算分析:物流2024年問題への先制的対応と大幅増益の評判・決算情報まとめ

決算発表日: 2025-06-182025年3月期 通期
業績スコア
85/100
好決算

決算サマリー

2025年3月期の連結業績は、売上高にあたる営業収益が48,631百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益が3,239百万円(同23.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が2,390百万円(同16.8%増)となりました。物流業界が「2024年問題」に直面する中、適切な価格転嫁の進展と運行効率の改善、さらに2023年10月に竣工した大型倉庫の通期寄与により、大幅な増益を達成しました。

注目ポイント

「中継輸送(e-change)」の推進による2024年問題への対応

同社は関東・関西の中間地点という立地を活かし、乗務員が日帰り運行できる「中継輸送」の仕組みをいち早く構築しています。これにより、労働時間規制が強化される中で安定した輸送能力を維持し、競合他社との差別化を図っています。

EC物流および調達物流の深化

主要顧客であるアマゾンジャパン向けの輸送に加え、東海エリアでのEC個配業務や、製造業の工場至近での部品調達物流を強化しています。単なる輸送に留まらず、セット組みなどの付加価値サービスを提供することで収益性を高めています。

業界動向

物流業界全体では、燃料費の高止まりや人手不足、労働時間制限に伴う「物流の2024年問題」が深刻化しています。多くの企業がコスト増に苦しむ中、遠州トラックは親会社である住友倉庫との連携や、自社車両・自社乗務員を中心とした「自社輸送体制」を堅持することで、高いサービス品質と柔軟な対応力を維持しています。これにより、厳しい環境下でも価格交渉力を発揮しています。

投資判断材料

  • 安定した収益基盤:アマゾンジャパン等の大口顧客との強固な関係(営業収益の約27.3%)と、新規顧客の開拓がバランスよく進んでいます。
  • 高い資本効率:ROE(自己資本利益率)は10.7%に達し、中期経営計画の目標である8%以上を大きく上回って推移しています。
  • バリュエーションの割安感:PERは10倍を切り、PBRも1倍を下回る水準(約0.9倍)であり、業績の成長性に対して市場評価は控えめと言えます。

セグメント別業績

物流事業(主軸)

営業収益:48,484百万円(前期比3.8%増)、セグメント利益:4,200百万円(同19.6%増)。輸送部門では運賃改定が浸透し、倉庫部門では新設された袋井LSC(ロジスティクス・サポート・センター)の稼働が利益を押し上げました。

その他(不動産事業等)

営業収益:146百万円(前期比36.0%減)、セグメント利益:75百万円(同20.4%減)。売電事業や賃貸不動産が含まれますが、全社に占める割合は極めて限定的です。

財務健全性

自己資本比率は57.9%と、前期の54.8%からさらに向上しました。有利子負債の削減が進む一方で、営業活動によるキャッシュフローは4,825百万円と過去5年間で最高水準を記録しており、極めて健全な財務状態にあります。手元資金も7,400百万円と潤沢です。

配当・株主還元

2025年3月期の年間配当金は96円(中間47円、期末49円)となり、前期の94円から増配されました。配当性向は35.7%です。会社側は配当性向30%以上を基本方針として掲げており、安定的な配当維持と業績連動の両面で還元姿勢を示しています。

通期業績予想

2026年3月期(第61期)は中期経営計画の最終年度となります。目標として営業収益52,200百万円、営業利益3,650百万円を掲げています。現在の進捗は概ね順調であり、DX投資や拠点新設を通じたさらなる規模拡大を目指しています。

中長期成長戦略

  • DXによる省人化投資:自動配車システムや自動搬送ロボットの導入により、作業環境の改善と生産性向上を図ります。
  • 拠点ネットワークの拡充:静岡、関東、中京圏での共同配送網をさらに広げ、物流効率化によるCO2削減にも貢献します。
  • 人的資本への投資:労働力不足に対応するため、賃上げや職場環境の改善を積極的に行い、人材の確保・定着を進めています。

リスク要因

  • 特定顧客への依存:アマゾンジャパン向けの比率が高いため、契約内容の変更が業績に与える影響が大きいです。
  • 燃料価格の変動:軽油価格の上昇分を速やかに運賃へ転嫁できない場合、利益率が圧迫される可能性があります。
  • 法的・環境規制:排ガス規制や脱炭素への対応コスト、さらなる労働規制の強化が負担となるリスクがあります。

ESG・サステナビリティ

環境面ではTCFDに基づく情報開示を行い、低燃費車両への切替やモーダルシフトを推進しています。社会面では「健康経営優良法人2025」に認定されるなど、従業員のウェルビーイング向上に注力。ガバナンス面では社外役員の比率を4割以上に維持し、透明性の高い経営を行っています。

経営陣コメント

金原社長は、2024年問題を解決するための「中継輸送プラットフォーム」を他エリアへも拡充し、社会課題解決と持続的成長を両立させる姿勢を強調しています。また、90億円規模の事業投資を着実に遂行し、成長領域であるEC・調達物流へのシフトを加速させる方針です。

バリュエーション

2025年3月期末時点の株価指標は以下の通りです。

  • PER(株価収益率):8.7倍
  • PBR(株価純資産倍率):約0.9倍(1株当たり純資産3,106.12円)
  • 配当利回り:約3.4%(株価2,800円前後と仮定)

東証スタンダード上場の物流銘柄として、収益性の高さに対して割安な水準にあります。

過去決算との比較

直近5年間のトレンドを見ると、営業収益は右肩上がりで成長しています(395億円→486億円)。2024年3月期に一時的な利益の足踏み(2,678百万円)がありましたが、今期はV字回復を遂げて過去最高水準の利益を更新。先行投資としての倉庫建設やシステム構築が、着実に収益化フェーズに入っていることが確認できます。

市場の評判

遠州トラック株式会社は1965年に設立され、東証スタンダード市場で9057のコードを持つ。主に物流サービスを提供し、業績は安定している。社員の評判は中程度で、ワークライフバランスに配慮している。

詳細リサーチレポート

承知いたしました。遠州トラック株式会社(9057)に関する詳細なリサーチレポートを作成します。最新のウェブ情報を検索・収集し、以下の構成でレポートを作成します。

遠州トラック株式会社(9057)リサーチレポート

1. 最新の業績動向と今後の見通し

  • 2026年3月期中間期決算 2025年11月6日に発表された遠州トラックの2026年3月期中間期決算によると、営業収益は247億2,200万円(前年同期比2.3%増)と増収でしたが、外注費や人件費の増加により利益面では減益となりました。自己資本比率は60.4%に上昇し、財務体質の改善が見られます。
  • 通期業績予想 2025年5月9日時点での会社側の発表によると、2026年3月期の売上高は522億円、営業利益は34億円と予想されています。
  • アナリストの見解 アナリストによる直近の業績予想に関する情報は確認できませんでした。

2. 業界内での競合ポジションと市場シェア

  • 主要競合他社 遠州トラックの競合企業としては、ロジネットジャパン、東部ネットワーク、AZ-丸和ホールディングスなどが挙げられます。
  • 市場シェア 遠州トラックの市場シェアに関する詳細な情報は見つかりませんでした。

3. 成長戦略と重点投資分野

  • 中期経営計画 遠州トラックは、創業60周年となる2025年を最終年度とする3か年の中期経営計画を策定しています。この計画では、物流サービス拡充による事業領域の拡大や、先端技術の積極的な導入によるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進などが重点戦略として掲げられています。
* 中継輸送プラットフォームを活かした輸送ネットワークの拡充 * 共同配送網の拡充 * EC(電子商取引)物流の拡大 * 調達物流の進化 * 物流拠点の新設
  • DXへの投資 自動配車システムの全社展開、EV(電気自動車)トラックの導入など、DXによる物流サービスの革新と業務の効率化・省人化を推進しています.
  • M&A 過去には大浜運輸の子会社化を決議したことがありましたが、後に中止となっています。

4. リスク要因と課題

  • 事業上のリスク 遠州トラックは、リスク管理規程を定め、リスクアンケートに基づき、事業リスクを把握、評価、管理する体制を構築しています。リスク要因としては、システムリスク、環境侵害リスク、訴訟リスク、コンプライアンス違反などが考えられます。
  • 外部環境の変化 物流業界における2024年問題(ドライバー不足、時間外労働規制強化など)への対応が引き続き重要な課題となっています。

5. アナリストの評価と目標株価

  • 証券会社のレーティング アナリストによる直近のレーティングに関する情報は確認できませんでした。
  • 目標株価のコンセンサス 株予報Proによれば、理論株価は下値目途3,014円、理論株価3,268円、上値目途3,521円となっています。

6. 最近の重要ニュースやイベント(直近3ヶ月)

  • 2025年11月:2026年3月期第2四半期決算発表
  • 2025年07月:金原秀樹社長へのインタビュー記事掲載(関東~関西間の中継輸送、九州・東北に拡大へ)
  • 2025年07月:袋井市社会福祉協議会に日用品を寄贈
  • 2025年06月:森町の摩耶保育園、袋井市立袋井南小学校で交通安全教室を開催
  • 2025年06月:第6回フォークリフトコンテストを開催

7. ESG・サステナビリティへの取り組み

  • ESG事務局の設置 サステナビリティの推進を図るため、ESG事務局を設置し、適宜経営陣への報告を行っています。
  • 環境への取り組み
* 地球環境にやさしい物流機器の導入 * 中継輸送、共同配送、調達物流の最適化、モーダルシフト等の提案によるCO2削減 * 低燃費車両への切替やエコドライブの実施による燃費改善 * 産業廃棄物の削減やリサイクル活用 * 排気ガス削減に向けた運行の促進
  • ガバナンス体制
* コンプライアンス委員会を設置し、リスク管理を実施 * 企業行動指針を定め、法令遵守の企業風土の醸成に努めています * 社外監査役として女性の公認会計士を選任

8. 配当政策と株主還元

  • 配当方針 株主に対する利益還元を常に念頭に置き、業績の推移、経営環境、配当性向等を総合的に勘案しつつ、安定した配当を継続することを基本方針としています。
  • 配当性向 中期経営計画において、配当性向30%以上を目標としています。
  • 1株当たり配当金 2025年3月期の1株当たり配当金は96円です。
  • 株主優待 3月末の株主に対して、QUOカード、クラウンメロン、静岡産煎茶、治郎柿、ふくろい遠州の花火指定席入場券などの株主優待を実施しています。

免責事項

本レポートは、情報提供のみを目的としており、投資勧誘を意図するものではありません。投資判断はご自身の責任において行うようにしてください。

情報源

データソース

この記事はEDINETから取得した決算報告書をAIが分析して生成しています。